秩父の街を歩く




 毎年のことながら、今年もまだ残暑の厳しい9月に入ってすぐ、ブタクサ花粉症になった。
ある日の朝起きてみると、どうも前日より鼻がむずむずし、時間とともに鼻が詰まってその日が終わる頃には、鼻が両方とも詰まって息が出来ず、七転八倒の苦しみがスタートする。
もちろん、毎年のことなので、内服薬と点鼻薬は常備してあるが、タイミング良く薬を使わないと、症状が改善されずにいつまでも苦しみが続くこともあるから、内服薬は朝食前に多めの水分とともに服用し、点鼻薬は習慣性があるのでできるだけ我慢して1日の使用回数を少なくする必要がある。
たかが鼻づまりではあるが、薬の副作用なども含めると、症状の治まる10月はじめにかけて、全身倦怠、尿が出しにくくなる、食欲不振、下痢、寝不足、のどの痛み、発汗異常などなど数え上げたら限がないほど、いろいろな症状が伴ってしまう。
ようやく治まったかと思った10月はじめには、朝起きた途端激しいめまいに襲われ、一日中ほとんど起き上がることができなかった。原因は分からないが、このめまいは年に1回くらい何の予告もなく発症し、だいたいその日のうちに治まって翌日は何ともなくなる。
全く困った体質だが、10月も半ばになり、朝晩ちょっと冷え込むような時期になると、何で今まで億劫がっていたのか分からないほど体調が良くなり、6月頃から放置状態だった写真を、何でもいいから手あたり次第撮りたくなるのも、全くもって毎年同じパターンの現象である。

10月13日は例によって友人のO君と「蕎麦でも食って物見遊山」の約束をした日である。天気は、前後の日が晴れなのにこの日に限って終日曇りであるが、O君の休日なので変更は不能である。
事前の計画では、秩父エリアで食べログランクが先日の「ひらい」に次いで2位の店か、もう1軒10位以内の店をリストしてみたのだが、どちらも木曜日定休なので、昼食後に神流湖方面に行く計画も中止し、蕎麦は山あいの地蔵寺近くの「観音茶屋」という店にし、昼食後はO君の希望で秩父市内散策ということになった。

地図を持っていないので街歩きはかなり適当であったが、昭和の風景もあってそれなりに楽しむことがでた。



小鹿野町の中心部から少し山あいに入ったところの蕎麦屋である。



店に入ると中はやたら広く、上がり框にはミニチュアの人形が鎮座している。奥には座敷もある。


 

我々は入って右手のテーブル席に座った。こちらもダルマやら酒壺やらが並んでいる。



テーブル席の奥の座敷は薬用酒が並ぶ。タダで飲めるらしいが、ちょっと引いてしまうね。



今までにない雰囲気の店だが、頼んだのは天ぷら付き大ざるそばだ。1120円は許せる。


 

蕎麦屋の先には斜面のあちこちに水子地蔵が。


 
台座には都道府県名があり、水子地蔵の全国大会開催中という感じ。



正面から見るとこんな感じで、とにかく整然と隙間なくびっしり並んでいる。


 
地蔵寺本堂の方を見ると、下にも背後にもこれでもかと並ぶ。



一体だけ着衣を身に付けた地蔵もある。かなりの大金を納めたのか。



こちらはまた別のエライ地蔵様だろうか。地蔵の世界にも序列があるようだ。


 

終わりかけのコスモス越しに地蔵を見てこの場を去ることにしよう。



秩父市内はやっと見付けたコインパーク隣の秩父神社からスタート。



本殿を右手の方から眺めてみる。左右に虎の彫刻がある。


 
「知知夫」というのは秩父の古名だろうが神話の時代のことだ。



左甚五郎作と言えば、日光東照宮を思い浮かべる。



三猿もあったが、ここでは「見て・聞いて・話せて」のお元気三猿らしい。


 
秩父神社から西武秩父駅方面に商店街を歩く。これはツタに窓までふさがれそうな建物。


 
途中でたい焼きを食べて、秩父札所15番の少林寺を覗く。山門は工事中だ。



スナック街は店の入口にエアコンの室外機がある。ふつうは裏だろう。



昭和の風景パリー食堂。ショーウインドーのメニューも昔ながらのものばかり。



かつて煙草屋だった建物。この他にも廃業した煙草屋はいくつもあった。



廃業してしまった喫茶店。店と同様にツタも枯れてしまっている。


 

こちらは昭和以前の雰囲気の元医院。歴史的建造物だがグーグルの地図では名称は無かった。



秩父鉄道お花畑駅の改札前には廃業したレストランがあった。あえて保存してるのか。


 

廃業したレストランの隣は立ち食い蕎麦屋か。秩父鉄道の立ち食い蕎麦はうまいと評判らしい。



こちらは札所13番の慈眼寺。小さいお寺ながら札所めぐりの人が多いのか、トイレも設置されている。



線路の西側を歩いていたら、西武秩父駅の先に出てしまった。左端は秩父鉄道である。



西武秩父駅から札所14番を目指して歩いていたら、こんなレトロな建物が見えた。



反対側に回って敷地内に入ると、何とここは矢尾百貨店の駐車場なのであった。
例の建物は矢尾百貨店の前身の酒蔵を保存してあるのだった。創業268年だそうだ!!



敷地内の一角には花屋のような店が。しかしこの建物もかなり古い


やっと札所14番長岳山今宮坊というお寺に到着。何だか次回から札所めぐりをしそうな雰囲気だ。



シャッターになかなかいい感じの街の絵が。ここは塗装の店のようだ。道理で。


 

今宮神社の境内にある樹齢千年超の大ケヤキの木。これはすごい!!



今宮神社の龍神池から湧き出る武甲山の伏流水が清流の滝から酌める。


 
時刻が15時近くなり、駐車場へ向かって歩いていたら、こんなものがあった。
女性の下半身だと確信できたら、お尻のあたりをすりすりしていたかもしれない。(^-^;


 わずか2時間ほど秩父市の中心部を歩いてみただけであるが、同じ埼玉県の街でも我々の住む東京の通勤圏内にある街と違って、かなり古い建造物などがあまりPRされることなく残されており、久しぶりに面白いものをたくさん見られた街歩きであった。そして、札所めぐりは、お寺さんには悪いが、写真の被写体としていろいろなお寺を、基本的に拝観料もとられることなく撮影できるのは、貧乏な年金生活者には大変有り難いと思う。
ただ、自宅から蕎麦屋の観音茶屋まで100km近くあったように、行き帰りにはかなりの時間がかかるので、たまの日帰りで訪れている限りでは、秩父34札所すべてを訪れる前に寿命が尽きてしまうかもしれない。